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2013年8月3日土曜日

甘え下手になったことで外交下手になったのでは?

早川です。
「自己愛と甘え」の話からずいぶんと盛り上がってきましたね。
もう少し甘えの話を引っ張りましょう。

上原さんの「女性同士の関係は、ある程度相手に甘えたところを見せないと、「この人、私を信用してない!」などと、不満に思われることがある」という指摘は、なるほどと思いました。私もふだん思春期の子どもたちを見ていて、男の子以上に女の子は人間関係が難しいように感じています。簡単に言えば、男子は上下関係と仲間を大事にしていればだいたいうまく行くのですが、女子の場合は女の子同士の距離感を等距離に保つ必要があるみたいです。仲良くなりすぎてもダメだし、疎遠になりすぎてもいけない。この感じを身につけるのがとても難しく、人付き合いの苦手な子は苦戦するのですが、この感覚は「程よい甘えの感覚を身につけること」に通じている気がします。ただ、最近の子どもたちは対人関係が上手ではないので、この感覚を身につけることから回避しがちなのですが。
日本人は昔から狭い国土の中にたくさんの人が住んでいて、その中で人付き合いのうまい工夫を文化の中に持つようになったのだと思います。以前、「幕末から明治初期にかけて、当時の軍事力を考えると日本は欧米列強に植民地化されていてもおかしくなかったところを、水際立った外交力を発揮して列強をコントロールし、うまく立ち回って独立を守った」という話を歴史学者の方から聞いたことがあります(この辺りの歴史は、明治政府が行ったネガティブキャンペーンのために悪いイメージを持たれがちですが)。しかし、その後西洋近代化が進むにつれて、日本人はだんだんと日本古来の対人関係の工夫のようなものを失って行ったように思います。昨今の日本では、麻生副総理の発言などを見ても外交が上手とはお世辞にも言えないと思いますが、これは"ほどほどに甘えあう"という難しい人間関係から現代日本人が逃げてしまっているためかもしれません。
近代化と甘えについては、"甘え理論"の大家である土居健郎が漱石の心的世界―「甘え」による作品分析」という本の中で、明治の西洋近代化の代表と言える夏目漱石について甘えの観点から分析しています。20年近く前に読んだ本なので少し記憶違いをしているか知れませんが、この本の中で「漱石は子ども時代に養子に出されたりしていて甘えを知らなかったから、逆に西洋近代化になじみやすかった」というようなことが書かれていたように思います。

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