上原さんから、若手とベテランのコミュニケーションの型が違うから意思疎通ができないのではないか?というお話がありましたが、もう一度前回の「現代人の3苦」についてお話すると、NHKの番組では「そもそも通じる話し方をしていないのでコミュニケーションできない」という内容でした。たとえば、主語が抜ける話し方ということを指しています。
今の子供たちは「ジュース」とだけ言うそうです。つまり誰が、誰に、何をして欲しいのか、そしてそれはなぜなのかということまでを言語化しないのだそうです。「お母さん、僕、喉が渇いたので、ジュースを飲みたい」というのが丁寧な発言になります。しかし、よく見るとこれはオヤジたちが自分のカミさんに「風呂」、「寝る」、「アレ」などと言っているのと同じですね、やっぱり子供たちは親の話し方を忠実に学んでいるのかもしれません(笑)。
これは、大人の場合は話す相手に対してどこまで家族的に振舞ってよいか、という判断をしながら会話するのですが、新入社員にはその判断ができないということなのかもしれませんね。新入社員になるまでその判断の必要が無かった、とも考えられます。子供の頃から、社会人になるまでほぼ擬似血縁関係の共同体にいるような、とても幸せな生活だったからなのかもしれません。だから、社会に出るにあたって「他人であることをわきまえろ」と言われても新入社員は戸惑ってしまうのでしょう。
小生はこの現状は、日本人の歴史的精神構造と携帯電話&メール文化の両方が影響しあってうまれたものだと思います。同じ釜の飯を食う人にはいちいち「誰が?」などという主語は必要ないわけあり、そのような会話の型のなかでメールをするのであれば、用件のみを伝えるだけの効率の良いコミュニケーションで済むのですから。
とはいえ、社会人になると「圧倒的な他者」とコミュニケーションする必要に迫られます。
なぜ、テレビでも取り上げられるような問題になったかと言うと、
●仕事の内容や職場環境が複雑になったから
●働く人たちの意識と価値が多様になったから
●色々と勉強が必要になったから
これらの理由でコミュニケーション不全になったからだと思います。
戦後の高度成長期は皆が同じ目標に向かって同じぐらい儲けられたから、先輩の言うことや要領のよい同僚のやり方を学べばよかったのですが、いまは先輩の言うことや同僚のやり方に倣っても成功するとは限らないのが大変つらいところです。
ベテランは若手を酒の席に誘いたいのかもしれませんが、若手は残業の後にも勉強しないと生き残れないのが現実なので、「オッサン、酒ばっかり飲んでいないで、もっと勉強しろよ」というのが若手社員の本音かもしれません。ベテランも勉強しないと脳機能が若い連中に追いつかなくなってしまうかもしれませんね。ベテランの経験値が役に立たない世の中は、人間関係を殺伐としたものにしてしまうんですね。
とはいえ、ある若手は「先輩、効率アップのための新しいシステムがあるんですよ、それはですね…」なんて言って、飲みに行かなくてもしっかりベテランを動かしている輩もいます、殺伐とした世の中なので逆にビジネスチャンスやコミュニケーションの方法はたくさんあるのかもしれませんね。
追記:
ちなみに今回の原稿は、元官僚で法律立案事務所を立ち上げた人の「菅大臣と仙石大臣は酒ばかり飲んでいて全然勉強していません」という発言からヒントを得て、小生も含めた、自身の仕事の現場に照らし合わせて作成いたしました。
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