実名でご登場いただく、記念すべきお一人めの医師の方は、国立精神神経センターの早川洋先生です。先生の現在のご専門は精神科ですが、小児科のご経験もあり、将来は、子育て支援や虐待予防にも取り組める小児精神科医を目指していらっしゃいます。
そんな早川先生の存在を私たちが知ったのは、先生が2002年に出された『「医者になる」とは 医学を学ぶ一人として』という一冊の本です。先生は本を書かれた当時、医学生というお立場でした。医学教育について違和感を感じたことをきっかけに、医療経済学、社会心理学、教育学など8人の専門家の方々に自らインタビューを行って、医学教育改革を内部から発信されました。
先生は、医学教育の問題点は何か、改善するには何が必要なのか、という問題に向き合い、対話と考察を重ねていらっしゃいました。そして、その本の「あとがき」には、こんな風に書かれていたのです。
「一つお断りしておかなければならないのは、この本は医学教育の悪いところをあげつらい、批判することが目的ではないということです。確かに苦言も呈していますが、それは医学教育をより良くしたいからです。より良くするには、多くの人に医学教育に関心を持ってもらい、理解してもらうことが必要だと思います」
この本を読んだ私たちは、先生のお考えに強い共感を感じ、インタビューを申し込んだ、というわけです。また、先生はまだ30代になられたばかりで、これからの日本の医療を形作っていかれる“新しい力”のお一人であることは間違いありません。そんな、医療の第一線で日夜奮闘されている先生から“現場の生の声”をお聞きしたいと、私たちは思いました。
これから数回にわたって、早川先生と私たちの対話を掲載していく予定です。まずは、先生がなぜ医師を目指されたのか、そして、その中でも精神科・小児科を専門に選ばれるまでの経緯を、ご紹介しておきたいと思います。
国立精神神経センター
レジデント 早川洋先生(はやかわ ひろし)
※本サイトの右カラムのプロフィールをご参照ください。
著書に「医者になる」とは 医学を学ぶ一人として』(2002 ゆみる出版)がある。
※レジデントとは…
アメリカ型医学教育制度の中で、研修のために来ている医師を指す。下から順に、学生、インターンシップ、ジュニアレジデント、シニアレジデント、スタッフというピラミッド構造になっており、上がそれぞれ下の立場の人材を指導する仕組み。ただし日本では、レジデント制度を採用している病院でも、必ずしも完全にアメリカ型になっていないのが実態。全体的に見ると、ドイツ型の医局制度により教授が全体を指導・支配しているところがまだまだ多い。
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