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2010年3月17日水曜日

家族の中で起きていることを観察し理解し、そして支えること

こんにちは、早川です。

「薬」の話は、またいずれ改めるとして、8月5日の上原さんからの質問にお答えしておきたいと思います。質問の内容を以下にまとめみましょう。

・精神状態が不安定になってしまって、母親に連れられて精神科にやってきた中学生がいた。
・その子が精神不安定になっている原因の一つが、母親の過干渉にあったことがわかってきた。
・そこで医師が母親にその点を一生懸命話して聞かせ、子供への接し方を変えるように促した。
・その時、聞く耳を持たない母親や、まったく理解しようとしない母親だった場合、どうするのか。

これはなかなか答えるのが難しい話です。

一般的な話ですが、大人と子どもを比べると、大人の方が変わることは難しいものです。大人の方が頭でわかるのは早いですが、大人は積み重ねてきた年月が長く、背負っているものも重いので、そう簡単に変われるものではないんです。それに比べて子どもは身軽ですから、変わることは比較的容易です。治療をしていると、子どもの方が先に変わり、それを見ていた大人が変わっていくことも珍しくない。

「聞く耳を持たない」「全く理解しようとしない」という話がありましたが、これも「聞く耳を持つことなんてできない」「全く理解する余裕なんてない」と理解していく必要があります。子どもの具合が悪い時は、親御さんも責任を感じ追い詰められているわけですから、冷静に話を聞き自分の非を認めて変わることなんてできなくても、なんら不思議はないんです。

そんなときに、責任を追及したりしてよけい追い詰めても何の意味もありません。大事なのは家族の中で起きていることを観察し理解し、そして支えること。子どもとは、それを支える人たちも含めて存在していますから、家族を含めて支援することが必要です。そのことが結局子どものためにもなります。

以前、小児科の救急にかかったご家族から、子どもが具合が悪くなって連れて行ったら「なんでこんなになるまで放っておいたの!」と医者に叱られ、ものすごく自信をなくし傷ついた、という話を聞いたことがあります。確かに、そこで叱られてもその親御さんが自信をなくすだけで、あまり意味はないでしょう。むしろ、不安であったことに共感し、次回同様なことが起きた時の対応を説明した方が、ずっと有意義です。

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