心の病は、社会の病。

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2010年3月15日月曜日

早川先生(7):少子化の裏側で…

上原:世間的には、ただ単に小児科のお医者さんが足りない、ぐらいにしか思われていないかもしれませんね。そんな問題があるとは、全然知りませんでした。

早川:私は「情報が知らされていない」ということがとても大きいと思います。小児救急にしても新生児の問題にしても、小さなこどもを持つお母さんたちは自分たちが不利益を被っていることさえ知らされてない。だから社会から抗議の声もなかなか上がってこないのでしょう。でもこのような危険に赤ちゃんがさらされていることを知ったら、今は産院の見た目のきれいさや食事で選んでいるお母さんたちも、その産院の緊急時の対応や当直のシステムで産院を選ぶようになるかもしれないわけです。
 一方で、政治の世界では「小児医療を充実させます」と選挙で言うと、高齢者票が入らなくて落選する、と言われているそうです。だから小児医療に本気で取り組む政治家はいないんだ、と。本当に情けない話です。でもそれだったら私なんかは、「こどもの投票権を認めたらいい」と最近思うんです。乳幼児がいる家庭は親がこどもの分もあわせて2票投票できる、とかね。そうでもしてこども達の権利が国政に反映するようにしていかないと、世の中はますます高齢化社会に傾いて、ますますこどもを育てにくい環境になってしまうでしょう。「少子高齢化」といいますが、高齢化は生活水準が上がれば当たり前のことで、実は少子化の方が問題は大きいんです。厚生労働省もそのことに気づいているからこそいろいろ手を打とうとしているのですが、これも残念ながら児童家庭局(厚生労働省でこどもの問題を取り扱う部署)は厚労省の中でもあまり力のある部局ではないようなんですね。そんなわけで、少子化に対してこれといった手が打たれることなく今日まで来てしまったのではないでしょうか。

大森:本当に、今の日本は、こどもを産むと損する仕組みになっている気がします。周産期センターを増やすことで安心してこどもを産むことができるようにしたいですね。こういうことが少子化を解決することにつながるはずです。

早川:「安心してこどもが生める」というのはまず最低限のラインだと思います。いまはそれすらも十分ではないと思いますが、本当は「こどもを生み育てることに喜びを感じられる」ようにしないとならない。出産を希望していても厳しい現実の前にあきらめている女性はたくさんいるのですから、そうなれば出生数は増えると思いますよ。

※周産期センター「周産期」とは出産の前後の時期。つまり、産科と新生児科両方の医療が必要になる時期。周産期センターとは、その両方に対応した医療施設のことを言い、産科医と新生児科医の両方が協同して安全な出産を行う。

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