心の病は、社会の病。

みんなが幸せに生きていけるように、より良い社会を求めて。

2010年3月16日火曜日

さっそく大森さんの質問にお答えします

こんばんわ。早川です。
さっそく大森さんの質問にお答えします。
といっても、これはあくまで私の私見で、いろいろな意見があるとは思いますが。

①児童精神科の患者数がなぜ増えているか?

「“病気の子どもが増えている”のではなく、“環境の中で不適応を起こしている子どもが増えている”」のが実態ではないかと私は考えています。先の梅が丘病院の資料でも受診者数の増加を著しくしているのは広汎性発達障害のお子さんの受診のようですし、当院を初め全国的にもその傾向があるようです。

そして、広汎性発達障害のお子さんの受診理由の多くは「パニック」と呼ばれる状態です。パニックとは、環境の中で混乱してしまい、大声を上げたり暴れてしまうような状態のことですが、これは“環境の中の不適応”だと思います。また、広汎性発達障害以外の受診でも、“環境の中の不適応”と捉えられるものが多いと思います。

“環境の中の不適応”というといまいちよくわからないかもしれないので、少し視点を変えてみましょう。最近、「職場のうつ」が取りざたされますが、これも“環境の中の不適応”と呼べるでしょう。つまり、その職場の環境のなんらかのこと(人間関係が多いようですが)とその人との間に不適応が起こり、その人の具合が悪くなってしまう、ということです。また、以前皇后陛下が失語になったり雅子妃が適応障害になったりしましたが、これも“環境の中の不適応”と呼べるでしょう。

では、子どもたちの“環境の中の不適応”はどういうものかと言えば、子どもにとっての環境は「家庭」と「学校」であり、この2つとの間の不適応、ということになります。ただここで、2つの考え方が成り立ちます。つまり以前に比べて「子どもたちが変化している」という考え方と「環境が変化している」という考え方です。これについてもいろいろ意見があると思いますが、私は後者の環境の変化が大きいと考えています。

②「広汎性発達障害」とは? 明確な判断基準があるのか?

広汎性発達障害とは自閉症を中核とする一つの診断群で、1、コミュニケーションの障害 2、社会性の障害 3、想像力の障害 の3つの特徴を生まれつきもっているものを呼んでいます。この3つの障害を一定以上示すのが自閉症であり、程度がそれほどでもないのがそれ以外の診断ということになります。最近話題のアスペルガー障害も広汎性発達障害の中の一つの診断になります。診断基準はDSM-ⅣやICD-10といったきちんとしたものがあります。

③この10年の間に子供たちの世界はどのように変化したのか?

家族の変容なのか、社会が個人に求めるものが変わったのか? ①の答えとも関係しますが、私は「社会が変わり、それに伴って家族が変わった。そして子どもたちも変わらざるを得なくなったが、もっとも自然な存在である子どもは変化についていけていない」と考えています。簡単に言えば、社会はより騒がしくなり、不安定になりました。それにより、安定した環境では落ち着いていた広汎性発達障害の特徴を持つ子どもたちが不安定になっている、ということがあると思います。

他にもいろいろありますが、ひとまずこれくらいとします。

0 件のコメント:

コメントを投稿