心の病は、社会の病。

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2010年3月15日月曜日

■早川先生(14):医療費の増大をどう食い止めるか

大森:今の日本は高齢化社会にともない、医療費が増大して、国家的な大問題になっています。このままいくと、国家は破綻しかねません。一般には、その原因は、医師の給料が高いからとか、設備に金がかかるからとか、研究に金がかかるからとか思われています。しかし一番お金がかかっているのは、実際には終末医療です。はっきり言えば、延命治療などに、莫大なお金がかかっているということです。そのすべてが無駄金とは言いませんが、医療費増大の問題とは、我々の「死に方」の問題であり、自分たち自身の問題にほかならないわけです。そういう問題についてみんなで考えていくためには、情報をどんどん公開して話しあうことが大切です。それがこのブログを立ち上げた理由の一つでもあります。先生は、医療費削減について、どのようにお考えですか?

早川:「死に方の問題」は、まさに先ほどお話した「患者さんの責任」の一つかもしれません。もちろん、生と死の間にいるわれわれ医師は、死についての深い見識を持つことが求められますが、個人個人の死を左右する権利も責任も私たちにはありません。それは患者さんの責任だと思います。そして、病院で末期の患者さん方と接していて感じるのは、みなさん決して死についてなにも考えていないわけではなく、責任を全うする準備のある方が多いような気がします。ただ、今までのパターナリズム(父権主義)な医療の中で、その責任を発揮するチャンスがないだけなのではないでしょうか? そのことが変わるだけでもだいぶ変わると思います。
あと医療費削減についてはぜひ言いたいことがあります。それは、漢方をはじめとする東洋医学の活用です。東洋医学は新薬開発費や難しい検査などがいらないから、西洋医学に比べて安いんです。西洋医学は医療保険が使えるからそんなに高くないように感じるかもしれませんが、全部実費で払ったらとても高い。それに比べて東洋医学である市販の漢方薬、整体、針灸は、医療保険なしでもかなり需要があるわけです。
だから、医療費削減を考えるなら、漢方医の国家資格を導入するのがいいんじゃないかと思うんです。実は、以前にも漢方医の国家資格を作ろうという動きはあったようですが、いろいろあって途中で潰れてしまったようです。東洋医学の需要の高さを受けて、2007年度の医師国家試験から和漢薬の問題を出すことにはなっていますが、たぶん数問しか出ないと思います。もちろん、今の医師にも東洋医学を理解してほしいですが、医療費削減のような大きなことを考えるなら、きちんと別の国家資格を設けてその人たちに東洋医学を任せた方がいいでしょう。そして、東洋医学ができるところは安価な東洋医学が行い、それで手に余るところを西洋医学がやればよい。具体的には、予防医学や風邪などの一次レベルの医療、そして心身医療的なことは東洋医学が得意だし、逆に西洋医学は不得意な分野になります。一方、救急医療や難病、外科的な疾患は東洋医学ではどうしようもないわけです。
そうすればお互いの欠点を補えるし、全体の医療費も下がると考えています。

上原:確かに、現在の日本の医療では、「予防」という考えが弱いですね。「病気」になって「診断」がつく状態じゃないと、病院に受け入れてもらえない。病気になってからではどうしたって治療費がかかります。そこを、東洋医学的な考え方によって、病気になる前に対処していけば、治療費は削減できるでしょう。

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