こんばんは。早川です。
11月は“インフルエンザ狂想曲”などでなかなか忙しく、返事が滞ってしまいすみませんでした。
さて、大森さんとのセッションはひとまず今回で終了となる予定です。まとめを意識して書いてみたいと思います。
●日本人が幼くなっているのは消費社会のためか?
大森さんが初めに書かれていることは、「現代日本人が、年齢よりも幼くなっている」ということなんだと思います。「自分の髪形などを気にして、鏡の前から30分も離れない」のは、実は思春期男子の特徴だったりします。昔から中学生の男の子たちは、にきび面で鏡で自分の顔を気にしたりしていたものです。この年代は、自己愛が高まり自意識過剰気味になるので、「他者からどう見えるか」に過敏に反応します。そこからある種の対人恐怖が出現したりもします。
問題は、「20代になっても、髪形などを気にして鏡の前から30分も離れない」人が増えていることでしょう。以前であれば、この年代は自我も安定して社会的活動に取り組めたはずなのですが、今はまだまだ自分の問題にかたがついていない人が多いわけです。すると、働くどころではなくなってしまう。
これは、バブル以降の現象なのかもしれませんが、日本自体が「消費者社会」になってしまったように思います。消費をとめどなくしてもらうには、自分の欲望と折り合いのつけられない未熟な人格であった方が、社会にとって都合がよかったのかもしれませんね。しかし――もし昨今の出口の見えない不況の原因が、「自我の安定した生産者中心の社会⇒常に物で心を埋め続けなければならない消費者中心の社会」という日本人の変化にあるとすると、これはかなり深刻な問題になります。
こういったことは社会学的な話で私は専門ではないですが、昨今の若者たちを支援していると、彼らは「人格的に成熟しても、社会的にはあまり有利ではない」と感じているようです。大人になる過程は苦しいものですから、「大人にならなければ!」というインテンシブが働かなければ、未熟なままにとどまる人が増えるのは必然でしょう。
●都市化社会ではバーチャルを自然のように利用するしかないのでは?
さて、今日のメインテーマは「自然とバーチャル」でしょう。私が「自然とバーチャルの世界は似ているな」と感じたのは、「壊れない(と感じられる)強さ」と「一人ひとり別々に反応することのできる多様性」ゆえです。ですから、バーチャルと言っても、容易に壊れてしまうような不安定なものや、反応パターンが単一で「自分だけの反応なんだ」と感じられないようなものは、ここでは対象としないことにします。
例えば、動作が遅くすぐにフリーズしてしまうような一時代前のコンピューターや、ダイヤルアップのインターネット、またテキストだけで構成されたニュースのウェブや容量の少ないRPGなどがそれに当たるでしょう。これらに共通するのは、「人間の方がバーチャルに合わせている」ということです。つまり、人間の方が無理をしなければならない。だから疲れるわけです。
人間が自然の中で感じる安らぎや癒しというものは、人間自身はまったく無理をしておらず、自然が人間に合わせてくれるから得られるのではないかと思います。完成されたバーチャルも同様なのでしょう。ゲームをやる人たちがコンピューターのスペックを極端に高くしたがるのは、より完成されたバーチャルにすることで「自然に包まれる」のと同じような感覚を得たいからなのではと思います。
バーチャルは、都市化によって身体の近くに自然を失った人間が生み出した「代替の自然」という印象を私は持っています。こんな話をしていると「バーチャルは自然に取って代われるか」という疑問を持たれそうですが、これは私はよくわかりません。
ただ、自然は作為がなく嘘偽りのないものですが、バーチャルも誰の作為が入ることなく作られるとそれは区別がつかないくらい似てきそうですね。ただ、ほとんどのバーチャルは、お金もうけの手段であったり、誰かの作為が入るものでしょうから、その限りは永遠に自然に近づけないでしょう。
あと、パーチャルの有効利用は、もちろん考えていきたいですよね。ただこれも、これまで我々が自然に対して行ってきたのと同じことなんだと思います。自然で例えば海を例とすると、子どもたちはいきなり海に入るのは怖いので、水遊びから初めて少しずつ水に慣れ、お風呂やプールにもぐったりしながら海に入れるようになっていくんだと思います。
バーチャルの世界でも、例えばひきこもりの子たちは、いきなりは「難しい人付き合いのあるネット社会」には入れないものです。入ってもトラブルを起こして逃げ出してしまいます。まずは、安全で確実に成功できる「プログラムされたゲームの世界」から慣れていき、少しずつ複雑な世界にステップアップするものです。
難しいことに取り組んでいるようで、結局のところ元に戻って、同じことをしているように感じます。ただ、都市化社会の中では自然を得ることは難しいわけですから、バーチャルの世界をうまく利用して、子どもたちが成熟していくことを支援していきたいものですね。
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