もう昨年のことになりますが、A先生にお会いして、お話を聞くことができました。先生は30代後半、都内の私立大学付属病院に外科医師として勤務されています。後々は大学病院を辞めて、もう少し小さな病院で地域に密着した医療に従事したいとおっしゃっています。その理由をお伺いするうちに、「医師と患者」のあるべき姿の一例がうかびあがってきたように感じました。
「大学病院にはもちろん良い点があります。設備の充実、高度な医療技術、豊富な情報量などです。ですが、医師と患者のコミュニケーションという点では、なかなか問題が多い。第一に、時間が足りない。本来、医師は患者やその家族とは、互いに納得がいくまでじっくり話し合わなければなりません。とりわけ、生死に関わる病気、後遺症が残る病気などの場合、たっぷり時間をかけて話し合う必要があります。しかも、ただ時間をかければいいというものではなく、患者さんのバックグラウンドをよく理解しようとすることが大事なんですね。それが、大学病院ではなかなか難しい。その点、地域医療なら、理想に近づくことができす。つまり、大学病院と地域医療では、それぞれ果たせる役割が違う。私自身は、やがては地域医療に携わりたいと思っています」
A先生は、過去に数年間、伊豆の病院に勤務された経験をお持ちです。その時の実体験からも、こうしたご意見が生まれるのでしょう。
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