心の病は、社会の病。

みんなが幸せに生きていけるように、より良い社会を求めて。

2010年3月15日月曜日

結城康博氏 「医療の値段」岩波新書

「医療の値段」岩波新書
いつも私たちは欲しいものがあるとその商品の価格を必ずチェックする。
ましてや複数のメーカから似たような商品が発売されている場合は、カタログや店頭で何回も検討を重ねた上に購入する。

しかし、医療は原則としてどこの病院でも同じ金額だ(大病院と診療所で料金は違うが)。
これは日本の国民会保険制度による。

実は自分が病気になったときの医療費は、全体の医療費の3割負担であることをどれだけの人が認識しているのだろうか?
そして、その負担比率も上げていかなければ、いまのままのペースでいくと、医療保険は破綻する。
いずれは自己負担や増税をしなければ保険制度は持たないだろう。

果たして医療の適正価格とはいくらなのだろうか?
そしてその価格は誰が決めるべきものなのだろう?

この本は、それを考えるための基礎情報を与えてくれる。

現在医療の価格を決定する中医協委員に患者代表が連合推薦で一人しか参加していないのには驚いた。
また、価格決定のための審議会の基礎資料は厚生省が作っているそうだ。
組織のあり方などを抜本的に改革しなければ、保険制度の将来はないだろう。

最後に、日本医師会と日本歯科医師会は政権政党に献金をして影響力を及ぼすよりも、国民を味方につけて権力を振るうほうが合理的だと思う。万が一、政権交代でどのような党が政権を取ろうと、国民の支持があれば常に政権に影響力を及ぼすことができる。

ある政治家に1億円の献金をしても、派閥抗争で辞職させられる時代だし、政権交代も間違って起きてしまうかもしれない。

時代はもう、そのようになっている、と思う。

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