心の病は、社会の病。

みんなが幸せに生きていけるように、より良い社会を求めて。

2010年3月15日月曜日

A先生の場合:理想は“ゆりかごから墓場まで”

告知の問題をはじめ、A先生は、「医師が患者さんのバックグラウンドを徹底的に知る」ことが、医師と患者のコミュニケーションを図る上で大事なことだとお話しされました。その点について、さらにうかがってみると……。

「理想を言えば、医師が患者と“ゆりかごから墓場まで”のつきあいができたら良いと思います。つまり、かかりつけの医師との長い付き合い、家族ぐるみの付き合いがあればいいなあと。患者さんにしても、自分が死ぬ時は、自分のことを一番よく知っている医師に看取ってほしいと思うはずです。子供の頃からよく知っていて、その人の人生や生き様も、だいたい知っている、そんな医師に。でも、現状では、そうではないことの方が断然多い。実際、私のところでも、初めて来院されて、すぐ入院しても、数日で亡くなってしまう患者さんだっていらっしゃいます。そうした患者さんとは、コミュニケーションを築く間もなく、突然死を迎えることになってしまう。その場合、患者さんは、本当はどうしてほしかったのか、わからないままに終わってしまうのです。不安を抱えたままに死んでいく患者さんは、本当にかわいそうです。私たちも辛いのですが……」

確かにA先生がおっしゃる“ゆりかごから墓場まで”は一つの理想であり、すべての人が医師とそうした関係を築くのは、現状では難しいでしょう。しかし、理想の中にこそ、私たちが今後探るべき道が見えてくるはずです。また、言うまでもないことではありますが、医療について考えることは、死について考えることでもあるということを、改めて実感しました。この問題について、さらに考えたいと思います。

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