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2017年1月25日水曜日

依存型の政治と、自立型の政治

こんばんは。早川です。私の書き込みに対して上原さんとメールでやり取りをしていて、私の書いた内容をぜひブログに載せた方がよい、となったので、引き続いて私が書き込ませていただきます。

前回の書き込みから時間がたち、実際にトランプ大統領が就任し、連日以前では考えられなかったような決断が下され、その度に世界中で大騒ぎになっています。私は前回の書き込みに書いたように、「威勢が良く中身がない言葉は、結局信頼を目減りさせるだけ」になると思っています。

私は基本的にトランプさんの考えや、彼のやっていることは支持しません。基本的に無茶苦茶でひどいもんだと思っています。ただ、貧富の差が広がり、エスタブリッシュメントが固定化している現状に怒りを抱く人たちが多いことも、全く理解できます。トランプさんが大統領になって格差が小さくなるとはとても思えないですが、現在の格差の拡大がこれまでのオバマ政権下で起こったことは事実で、トランプ大統領のせいでは(現時点では)ないのも事実です。

私は「人々が選んだのだから、これが民主主義だ」と悟り顔で言いたいわけでもありません。彼が選ばれたことは間違った選択だったと思っています。ただ、「昔はよかった」的な発言に違和感を覚えるだけです。一体、いつの昔に、「真の民主主義」があったのか。トランプさんの手法がポピュリズムと言われますが、ポピュリズムではなく行われた選挙がこれまで主流だったのでしょうか。

日本の小泉旋風や民主党が政権をとった選挙、大阪維新や昨年の小池都知事のブームは、ポピュリズムではなかったのでしょうか? トランプさんのポピュリズム的手法が批判を浴びますが、「ヒラリーさんのビックデータを駆使したやり方や、選挙資金をたくさん集めることが勝利に繋がる、という考え方は批判の対象にはならないのか」と思ったりもします。それは「お金を使うことで大衆を扇動している」ことではないでしょうか。なんとなく、「インテリが認めたやり方はポピュリズムではないけれど、インテリがコントロールできないものはポピュリズム」という判断基準がマスコミ側にあるように感じてしまいます。

真の民主主義は、ポピュリズム的手法にも、ビッグデータを活用した方法にも、決して流されないような、もっと地道なものだと思うのです。トランプさんはわかりやすい悪役だけど、ヒラリーさんを初めとした左翼インテリ層の手法も、それはそれでポピュリズム的な面を持っていて、トランプだけ悪者にするような捉え方は安易に思えます。むしろ、「国民はいまだポピュリズムに左右されてしまう面があって、今の民主主義の方法では、ポピュリズムを無視して政権担当できない」というのが現在の真実ではないでしょうか。私には、今の政治は「依存型の政治」に思えます。つまり、「権力者に任せておけばなんとかしてくれるよ」というものです。でも、人々がこの考え方である限り、ポピュリズムから自由になれないでしょう。

私には、民主主義は未だ発展途上で”青年期”のようなものなのだと思います。では成熟した真の民主主義とは、「悪者がリーダーであっても、圧力をかける形で結果的によい政治をさせてしまう政治」だと思います。それは、依存型の政治に対して、自立型の政治と言えると思います。つまり、権力者に依存していないわけです。例えて言えば、本来はかなり右寄りの考え方の安倍首相に、安保法制を通させてしまったのは民主主義の失敗で、韓国との和解や真珠湾訪問といった本来はやりたくないであろうことを実行させたのは民主主義の成功のように感じるのです。

特定の政治家に依存するのではなく、彼らに圧力を加えながらコントロールしていくのが、成熟した民主主義の在り方ではないか、と考えています。トランプさんを当選前から支持していた投資家ピーター・ティールは、「変わらないままの方がこわい」と語っていました。インタビューの全文を読むと、ティールは「変化の中でよい方を選択していく」という考えを持っていることがわかります。
https://newspicks.com/news/2015176/body/?ref=user_727371

そういう意味では、これからのトランプさんのやることに対して、アメリカ国民やメディアが圧力をかけて、トランプさんが本来したくないであろうことをさせていけるかどうか、を見守っていきたいと思います。

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